M-STyle

ポケモンとマスキングテープ

「揺れる花簪」創作後記

ポケストフェスBのテーマ「ふじ」を聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのは「藤の花」でした。幼稚園の砂場には藤が植えられていて、春になると綺麗な花を咲かせます。そんな花を子ども達と眺めながら「綺麗だね」「紫のカーテンみたい」と話したことを思い出しました。そして、「このお花、つぼみがイモムシみたい。お花はこんなに綺麗なのに、不思議だね」と言う子に、誰かが「綺麗に咲くためのパワーを溜めてるんだよ!」と言っていました。子どもの感性って、なんて素敵なんでしょう……

藤の花をテーマに、まずは花が印象的なポケモンを想像しました。ドレディア一択でした。頭の花について図鑑で言及されているほか、何よりかわいい。映える。いるだけで華やか。ドレディアの話にしようというのは、ここで決まりました。

でも、藤とドレディアをどうまとめようか考えているときに、壁にぶち当たりました。そんなとき、私は運動会の練習で声を枯らしました。普段赤いメガネがトレードマークなのに、メガネをかけずにマスクをつけていました。メガネもなく、得意の歌も歌えず、個性ゼロ。子どもに「先生、だれ?」と言われてショックを受けました。そのときにひらめいたのが、ドレディアの個性を消す……花の咲かないドレディアは、ここから生まれました。

最初は主人公がドレディアの一人称でしたが、話が淡々と進みすぎてしまうのと、主人公の心理描写が重すぎるために没にしました。そこで、キャラに名前をつけ、三人称にしました。藤の咲くドレディアということで、ウィステリアからリア。藤の花言葉は「優しさ・ずっと側にいる」なので、愛らしく努力家で、でも主張しないキャラにしました。理想の女性像? です。トレーナーは、旅で自信をつけてほしいという思いから、花言葉が「自信・信頼」である三角草から、ミスミ・ソウにしました。

そこからは、ひたすら推敲、推敲、推敲でした。途中でインパクトが薄いと思い、守り神と対峙する場面を増やしました。ただひたすらに、言葉を綺麗にわかりやすくしました。声に出して読んで、すらすら読めなかった部分は、言葉を入れ替えたり前後させたりして、読みやすくしました。実は、言葉のリズムは文章を書くうえで私が最も重視していることなのです。

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印刷して赤を入れるのもこだわりです。今回は6回くらい印刷したような気がします。

そうして投稿した「揺れる花簪」ですが、エゴサしても感想が全然見当たらず、まさかここまで上位につけるなんて思ってもいませんでした。かなり驚きました。私がこの位置で良いのかと、結果発表ページを見て思いました。こんなに評価をいただけるとは……

ちなみに、マスクネームの「ポニ島のジュカイン」は、ソウのお父さんのパートナーであるジュカインのことです。ハウとグー! ラジオにメールを送ったのは、ソウのお父さんということです。お茶目ですね笑

久しぶりの、ちゃんとした創作でした。楽しかったです!